ここまで、修理することを前提にした財布について考えてきました。
壊れないものをつくるのではなく、壊れても使い続けられるものをつくれないか。
革とX-Pacのような性質の違う素材を、それぞれが得意な場所に使えないか。
財布がどこから傷むのかを考え、その部分だけを修理・交換できる構造にできないか。
Repair First Design――修理を前提とした設計
いくつかのデザインを考え、AIとも対話しながら構造を検討してきました。
しかし、ここから先はいろいろな検討が必要です。
完成したデザインではない
革には革の性質があります。
糸には糸の性質があり、縫う場所によって適切な縫製方法も変わります。
X-Pacのような機能素材にも、革とはまったく違う加工や縫製の知識があります。
そして修理を仕事にしている人には、製品を作る人とは違った視点があります。
「ここは壊れやすい」
「この構造では修理するときに困る」
「こう縫えば後から交換できる」
「そもそも、この部品はなくてもいい」
実際に素材に触れ、作り、直してきた人だから分かることがあります。
だから、完成した設計図を渡して、それを正確に作ってくれる人を探しているわけではありません。
このアイディアを、一緒に考えて深めてくれる人を探しています。
ものを作る前に、考える
今回考えている基本的な方向性はあります。
- 外殻には、できるだけシンプルな一枚革を使う。
- カード収納には、薄く強いX-Pacなどの機能素材を使う。
- 小銭入れは負荷の性質が違うため、独立して修理・交換できる構造を考える。
- すべてを手縫いにするのではなく、手縫いが適した場所には手縫いを、ミシンが合理的な場所にはミシンを使う。
- 特殊な機構に依存するのではなく、できるだけ一般的な材料と単純な構造によって、将来も修理できるようにする。
ただし、これらもまだ答えではありません。
もっと単純な方法が見つかるかもしれません。
革ではなく別の素材が適している場所もあるかもしれません。
だからこそ、設計を完成させてから作り手を探すのではなく、設計する段階から作り手と一緒に考えてみたいと思っています。
一緒に考えてくれる人へ
今回の取り組みに興味を持っていただけるのであれば、肩書きにはあまりこだわりません。
- 革製品を作っている方。
- バッグを作っている方。
- 機能素材を扱っている方。
- アウトドア用品の縫製に携わっている方。
- 財布やバッグの修理をしている方。
- プロダクトデザインや設計をしている方。
- 小さな工房で一人でものを作っている方。
- あるいは、本業とは別にものづくりを続けている方。
この文章を読んで、
「自分ならこう作る」
と思った方。
そんな方とも話をしてみたいと思っています。
AIと人間でデザインする
今回の試みでは、AIを積極的に活用しています。
- アイデアを広げる。
- 既存製品を調べる。
- 構造を比較する。
- デザインの可能性を可視化する。
- 文章にして考えを整理する。
そうした部分では、AIは非常に強力な道具です。
一方で、それだけでは不完全です。
AIと人間、それぞれが得意なことを持ち寄って設計する。
そんなものづくりを試してみたいと思っています。
今回の財布そのものだけでなく、ものづくりの方法についても同じ実験をしてみたいのです。
完成品だけでなく、途中も共有したい
このプロジェクトは、完成した製品だけを発表して終わりにはしたくありません。
- 試作してみる。
- 使ってみる。
- 壊してみる。
- 修理してみる。
- 作り手から問題を指摘してもらう。
- 設計を変更する。
- ときには、最初に考えたアイデアそのものを捨てる。
そうした過程も、できる範囲でこのブログに記録していきたいと思っています。
成功したことだけではなく、
「やってみたけれど、これは違った」
ということも含めて残す。
完成品だけを見るより、その方がものづくりについて多くのことを共有できるはずです。
財布だけとは限りません
今回のテーマは財布です。
小さく、構造が比較的単純で、日常的に使われ、摩耗する。
Repair First Designを実際の製品として考える最初の題材として、財布はとても面白いと思っています。
しかし、「修理することを前提に設計する」という考え方は財布だけのものではありません。
- バッグ。
- 衣服。
- 家具。
- 生活道具。
さまざまなものへ広げられる可能性があります。
だから今回探しているのは、一つの財布を作るためだけの外注先ではありません。
この考え方に興味を持ち、
「一度、一緒に考えてみたい」
と思ってくれる人です。
一緒に考えてみませんか。
まだ完成した設計図はありません。
あるのは、
「壊れることを受け入れながら、それでも長く使える道具を作れないか」
というコンセプトです。
最初から仕事として大きな話をする必要もありません。
「面白そう」
「ここはこうした方がいい」
「似たことを考えていた」
「自分ならこう作る」
それくらいからでも構いません。
もしこの考え方に何か引っかかるものがあれば、簡単な自己紹介と、普段どんなものを作っているか、あるいはどんなことを考えたかを添えてご連絡ください。
試作や制作をお願いすることになった場合の制作費・試作費などについては、内容を相談したうえでお支払いします。商品化まで進む場合の役割や条件についても、一方的に決めるのではなく相談しながら考えたいと思っています。
一緒に作るところまで進むかもしれません。
話をするだけで終わるかもしれません。
そこから別のアイデアが生まれるかもしれません。
それでもいいと思っています。
一緒に考え、深めてくれる人へ。
ご興味があれば、下記までお気軽にご連絡ください。
件名に「Repair First Designについて」と入れていただければ分かりやすいです。
まずは、話をするところから始められればと思います。
REPAIR FIRST DESIGN / OPEN COLLABORATION 01
このプロジェクトは現在構想・試作段階です。完成した設計を発注するのではなく、考える段階から参加していただける作り手・設計者・修理者との対話を歓迎しています。
